まちを元気に、もっとおもしろく。
一緒に企み・運営する仲間を募集します。
「まちの人が誇りに思える場所」を目指すゲストハウス
和歌山県の県庁所在地、和歌山市。その中心地、南海和歌山市駅とJR和歌山駅の間にある大新エリアにGuesthouseRICO はあります。大新エリアは戦前戦後と問屋街として栄え、高度経済成長期以降は暴力団が事務所を構える時代などもありましたが、ここ数年で素敵なお店が増えつつあり注目されているエリアです。実はそれを仕掛けているのが、GuesthouseRICO(以下RICO)。ゲストハウスを7年間運営しながら、そこには宿を起点としたまちづくりがありました。
RICOを運営する株式会社ワカヤマヤモリ舎(以下、ワカヤマヤモリ舎)の宮原崇さんとパートナーの宮原麻里さんに宿を起点としたまちづくりについてお話を伺いました。
一級建築士でRICOオーナーの宮原崇さんと商業施設プランナーとしてのキャリアを積んだ麻里さん.
RICOがオープンしたのは2015年12月。きっかけは実在する遊休不動産を活用し、事業を生み出し、エリアの価値向上を目指す「リノベーションスクール@和歌山」に崇さんが参加したことでした。
「僕は和歌山市出身で、大阪や神戸の設計事務所で7年間働いていましたが、空き家が増え、寂れつつある和歌山をいつか元気にできればという想いがありました。またこれからの時代、新築よりも古い建物を活かしたリノベーションの需要も増えるだろうということもあり、このスクールに参加しました。」
リノベーションスクールでは、RICOが入居することになるアパートの活用方法が検討され、建物の用途や規模・構造、その当時、関西国際空港にLCCが就航しインバウンドが急増していたこと、また和歌山大学に観光学部があり観光・まちづくりを学ぶ学生がいたことなど、いろいろな背景からゲストハウスをすることになったそう。
「リノベーションとは建物の歴史を引き継ぎながら新しい価値をつくること。近所でどうしようもなく解体されていく建物から、まだ使える古材や建具、古道具を譲ってもらい、その建物の記憶も引き継ぎながら、自分たちでできるところはDIYしながらRICOを作っています。」
経年により1点1点味わいのある古材を使って作られた店内空間.
友人や海外からのゲストさん等に手伝ってもらいながら進めたDIY.
「和歌山の人は『和歌山は何もないから』と言うのが口癖の人が多いように思います。そのため、私たちは和歌山の地元の人が、他府県から来た友達に思わず紹介したくなるような、『地元の人たちが誇りに思えるような場所を作る』ことを目指しました。」と麻里さんは言います。
単なるゲストハウスではない。複合的な施設だからこそ生まれる偶発的な出会い
カフェ利用の人もいれば、仕事する人や勉強中の学生、宿泊中の人もいる店内.